日本酒初心者向け 日本酒の楽しみ方③(酒造用水編)

「飲水思源」という四字熟語があります。井戸の水を飲む際には、井戸を掘った人の苦労を思え

という意味で使われます。人の思いを忘れては、いけないという戒めの言葉です。

そして、日本酒造りでいうならば、「飲酒思源」日本酒を飲む際には、日本酒を作った人の

苦労を思え、というわけです。日本酒造りには、その一つ一つの工程に、作り手の苦労と努力が

見受けられます。その一つが「水」です。

日本酒の成分の約80%は、水であり、その品質は、酒の味わいを左右します。

目次

酒造用水

  • 硬度が高い水(硬水)には、ミネラル(※カリウム※マグネシウム※無機リン)が多く含まれていて、酵母の栄養素となる為、発酵が活発になり冴えわたる酒になる。
  • 硬度が低い水(軟水)には、ミネラルが少ない為、舌触りの良い柔らかな味となる。

硬水仕込み →辛口傾向   

軟水仕込み →甘口傾向

※カリウム

麹菌や酵母などの微生物の栄養源となり、発酵を促進する。もともと米に含まれている成分だが、水に溶け出しやすく洗米や浸漬で流出してしまう。足りない分を水から補うことで、発酵が順調になる。

※マグネシウム

カリウムと同じく微生物の栄養源となる。麹、酒母(日本酒を作る土台となる液体)もろみ、の発酵を促進する。水の硬度とは、水中に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を示す数値である。

※無機リン

麹、酒母(日本酒を作る土台となる液体)もろみ、の発酵を促進する。白米にも、有機リンとして、存在しているが、無機リンでなければ効果を発揮しない。水から補う必要がある。

酒造用水の水質基準

酒造用水の水質基準は、水道水よりも厳しく設定されている。水の成分のうちカリウム、マグネシウム、無機リンは、日本酒造りには、欠かせない成分である。鉄とマンガンは、日本酒を褐色化させ、香味を悪くする原因となる。酒造りには、上質な水が欠かせないのである。

水質基準データ

酒造用水水道水
0.02ppm以下0.3ppm以下
マンガン0.02ppm以下0.05ppm以下
亜硫酸性窒素検出されないこと10ppm以下
有機物5ppm以下3ppm以下
無色透明無色透明
臭気・味異常がないこと異常がないこと
基準データは、変更される場合あり
※ppmとは?

水1Lを1kgとし、水1kgは、1,000gであり、これの1,000分の1、m(ミリ)の単位に換算すると、1,000,000mgになり、1ppm=1mgと表現している。

酒造用水の種類

仕込み水

仕込みに使用し直接、日本酒の原料となる水

洗米・浸漬用水

米を洗う水、米に水分を吸わせる水

割水

出来上がった原酒に水を加えてアルコール度数を調整する。

まとめ

酒造用水は、使用する米の総重量の、数十倍必要であるといわれています。良質な水を生むことができる日本ならではかと思います。売られている日本酒を見て、どこの水を使っているんだろう?「これは、~~県のお酒だから、~~県の水かぁ~」なんて考えながら日本酒を楽しむのもいいかもしれませんね!そして作り手の苦労を思い感謝して、飲むお酒は最高に美味である。飲みすぎには、ご注意を…

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