北海道の日本酒と聞いて、どんなイメージを持つでしょうか。
キレが良い?淡麗?それとも力強い?
今回紹介するのは、北海道増毛町にある酒蔵「国稀酒造」が造る
国稀(くにまれ)純米吟醸 吟風。
派手さはない。でも、気づくとまた飲みたくなる。
そんな“生活に寄り添う日本酒”でした。
国稀 純米吟醸 吟風とは?
このお酒は、北海道産酒米「吟風」を100%使用した純米吟醸酒。
吟風は北海道を代表する酒米で、寒冷地向きのすっきりとした酒質が特徴です。
アルコール度数は15.5度、精米歩合は65%。
数値を見るだけでも、「飲みやすさ」と「米の旨み」のバランスを大切にしていることが分かります。
ラベルは力強い筆文字ですが、中身はとても誠実。
このギャップも、国稀らしさかもしれません。
香り|主張しすぎない、清潔感のある吟醸香
グラスに注いでまず感じたのは、香りの控えめさ。
最近流行りのフルーティー全開な吟醸酒とは真逆です。
青リンゴや和梨のような、すっと鼻に抜ける爽やかな香り。
決して弱いわけではなく、「料理と一緒にどうぞ」という距離感。
この時点で、「これは食中酒向きだな」と確信しました。
味わい|じんわり広がる米の旨みと、きれいな後味
一口目はなめらか。
甘みは控えめで、どちらかと言えばやや辛口寄り。
中盤から米の旨みがじわっと広がり、後半は雑味なくスッと切れる。
重すぎず、軽すぎず、本当にバランスが良いです。
冷やしても美味しいですが、少し温度が上がると旨みがふくらみ、表情が変わるのも楽しいポイント。
食事との相性|「何にでも合う」は本当だった
この国稀 純米吟醸 吟風、食事と合わせてこそ本領発揮します。
- 刺身や寿司
- 焼き魚、煮魚
- 天ぷら
- 肉じゃが、筑前煮
どれと合わせても邪魔をしない。
むしろ、料理の味を引き立ててくれる印象です。
「今日はおかずがバラバラだな」という日でも、安心して開けられる一本。
正直なデメリット|華やかさ重視の人には不向きかも
正直に書くと、
- フルーティーで甘い吟醸酒が好き
- 香りのインパクトを求めている
という人には、少し地味に感じるかもしれません。
でもこれは欠点というより、方向性の違い。
国稀 純米吟醸 吟風は、“飲み疲れしないこと”を大切にしたお酒です。
こんな人におすすめ
- 日本酒をゆっくり楽しみたい人
- 食事と一緒に飲む日本酒を探している人
- 北海道の日本酒に興味がある人
- 派手さより安定感を重視する人
「毎日飲める純米吟醸」を探しているなら、かなり有力候補です。
まとめ|静かに心に残る、北海道の良酒
国稀 純米吟醸 吟風は、
一口で感動するタイプではありません。
でも、
二口、三口と飲み進めるうちに、
「これ、いいな」と思わせてくれる酒。
派手な自己主張はしないけれど、
ちゃんと美味しくて、ちゃんと真面目。
そんな日本酒が好きな人には、きっと刺さります。
今日は少し落ち着いた夜にしよう。
そんな日に、ぜひ一度。

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